保存版交通事故に遭ったら今すぐ何をする?—初動6ポイントと医療・保険の落とし穴まで
動揺しても、命の安全→記録→保険・医療→証明の順に。あとから後悔しないための実務ガイドです。
1. 初動チェックリスト(6項目)
1警察へ通報(110)/必要に応じ119
救護と通報は義務。事故証明の前提になります。
救護と通報は義務。事故証明の前提になります。
2加害者(相手方)情報の確保
氏名・住所・電話・車両番号・自賠責番号・任意保険社名/証券番号。写真+メモ。
氏名・住所・電話・車両番号・自賠責番号・任意保険社名/証券番号。写真+メモ。
3目撃者の確保
氏名・連絡先。可能ならドラレコ提供依頼。警察到着まで待機依頼。
氏名・連絡先。可能ならドラレコ提供依頼。警察到着まで待機依頼。
4自身の保険会社へ連絡
早期連絡で以降の手続が円滑。記録も残る。
早期連絡で以降の手続が円滑。記録も残る。
5速やかな病院受診と診断書
外見上軽くても内部損傷の可能性。診断書は補償・人身切替の要。
外見上軽くても内部損傷の可能性。診断書は補償・人身切替の要。
6交通事故証明書の取得
保険請求に必須。人身は原則5年・物損は3年で交付不可に。
保険請求に必須。人身は原則5年・物損は3年で交付不可に。
「大したことない」で未通報・未受診はNG。因果関係や補償が否定されるリスクが跳ね上がります。
2. 各項目の要点と実務Tips
警察を呼ぶ理由
- 事故態様を記録する実況見分調書の基礎。
- 交通事故証明書がなければ保険実務が滞る。
- あとから人身切替する際も、受診+診断書があれば可。
相手情報の記録術
- ナンバー・免許証・保険証券を写真+手書きメモで二重化。
- 会話はスマホ録音で事実関係を保全。
目撃者は「連絡先を頂き、警察の確認までお時間ください」と丁寧に依頼。ドラレコ車両も協力を。
3. 受診先の選び方・検査・複数通院の注意
何科へ?
- 原則:整形外科(骨・関節・頸椎・腰)。
- 頭部打撃・意識障害・嘔吐:脳神経外科の評価。
- 迷うなら総合病院でトリアージ→適切な科へ。
検査の重要性
- レントゲン/CT/MRI等は因果関係・重症度の客観資料。
- 痛みが遅発でも、初期画像・所見が後日の争点回避に有効。
複数の病院を掛け持ちしても良い?
症状が複数部位にわたる場合(例:骨折は整形、脳挫傷は脳外)等は合理的。ただし、同一症状の重複通院は「必要性」や「相当性」が疑われ、重複部分は請求が難しいことがあります。原則は同一症状=主治医を一つに。
4. 治療費の払い方:任意一括/立替・健康保険
| 方式 | 概要 | メリット | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 任意一括対応 | 加害者の任意保険が病院へ直接支払う一般的方式。 | 自己負担なく通院しやすい。事務が軽い。 | 自賠責限度超過の局面等で打切り打診あり得る。医師所見で必要性を維持。 |
| 被害者立替 | 一時立替→示談時清算/被害者請求/人身傷害で充当。 | 支払いが止まっても治療継続可。主導権を確保。 | 資金繰り・手続の手間。健康保険活用で負担軽減可。 |
第三者行為による傷病届を提出すると、健康保険での立替が可能。必要書類(事故状況・原因報告・同意書・事故証明等)を準備。
5. 整骨院/接骨院は慰謝料の対象?—通院の通し方
認められやすい条件
- 医師の診断書と傷病名がある。
- 医師の通院許可または紹介がある。
- 部位・頻度・費用が症状に対し相当。
ありがちな打切り要因
- 病院の受診が途絶え、整骨院のみが継続。
- 長期・高頻度だが医学的裏付けが乏しい。
- 整体/カイロ等の民間療法は対象外になりやすい。
月1回など定期的に医師の再評価を受け、必要性・経過を記録(カルテ・画像・所見)で残すと安定します。
6. 弁護士に相談するメリット
- 治療の必要性を医証で丁寧に主張(打切り回避・延長交渉)。
- 請求漏れ(通院交通費・休業損害・雑費等)を防止。
- 弁護士基準での慰謝料・逸失利益の交渉。
- 示談・被害者請求・後遺障害等級など手続の一元化。
費用が心配?—弁護士費用特約
自動車保険や家族の保険に弁護士費用特約が付いていれば、上限(例:300万円)まで弁護士費用が保険から支払われる場合があります。加入状況を早めに確認し、使う前提で保険会社に意思表示を。
7. 迷ったら:専門家に無料相談
同じ事故でも、初動と医療・記録の整え方で結果は大きく変わります。人身切替、通院設計、任意一括 or 立替・健保、整骨院の適切な使い方まで、最短ルートで不利を回避しましょう。
※本記事は一般論です。個別判断は主治医・保険会社・担当弁護士・所轄警察の指示を優先してください。












