交通事故を人身扱いにしない被害者のリスクとデメリットは?

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交通事故を人身扱いにしない場合、被害者にどんなリスクがあるか。
また人身事故にしないデメリットはなにか。
この記事では人身扱いにしない場合に考えられるリスクや、加害者が人身扱いにしたくない理由などについて紹介します。
交通事故の種類、人身事故や物損事故の違い、治療期間などを記事にしています。

物損事故と人身事故はどんな違いがあるの?

交通事故に遭ったとき、状況をうまく把握できず物損事故で済ませてしまったという人もいるのではないでしょうか。
例えば、物損事故と人身事故の違いや事故処理は物損事故と人身事故どちらがいいのか?
事故手続きしたが、事故種類を変更したい時どうしたらいいか分からない。など色々あると思いますがこの記事では、物損事故と人身事故の違いや、物損事故から人身事故に切り替える方法などを紹介します。
この記事を読むことで、交通事故を人身扱いにしない場合のリスクや、人身事故への切り替えを警察から断られたときの対処方法を知ることができるでしょう。
交通事故でのお悩みの人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

物損事故と人身事故の違いとは?

物損事故は自動車や建物などのものだけに損害を発生させた場合をいいます。
事故のことで、人身事故は人の生命・身体に損害を発生させた場合をいい人的な損害が発生した事故のことです。
人身扱いにするか物損扱いにするかで、加害者も被害者も大きく結果が異なります。

 

物損事故の場合は基本的に飲酒運転や速度超過によるものでない限りは刑事処分の対象になりません。そして免許の取り消しや減点といったような行政責任も原則として課されることはありませんが、人身事故は罰金や懲役などの刑事処分を受ける可能性があります。

交通事故を被害者が人身事故の処理しない時のリスク

交通事故を人身事故として処理しないことで被害者側に何らかの不利益が発生する可能性があるため、注意が必要です。ここでは、事故の種類を物損事故として処理をしてしまった場合に起こり得る被害者のリスクを4つ紹介します。

 

交通事故に遭った場合に、外傷が無かったり、痛みがない場合では、物損事故として処理される可能性があります。数日後から痛みが生じても、加害者側に治療費を請求しても認められない可能性が高いため、下記の内容を留意して人身事故への切り替えを行いましょう。
この記事では、人身事故への切り替えのポイントを中心に弁護士が解説します。

過失割合が変わるため刑事処分を負う可能性がある

人身事故の場合は実況見分調書をもとに過失割合を主張できますが、物損事故で作成される物件事故報告書は事故の概略しか記載されていないため、過失割合の主張根拠として弱いとされています。

 

交通事故の過失割合は、責任の度合いを割合で表したものです。
物損事故でも他人の建造物を壊してしまった場合などは刑事責任が発生し、過失割合は過去のの裁判例と、該当事故状況を照らし合わせながら検討されます。
保険会社任せにすると、自分側の過失割合が大きくなる可能性もあり、その刑事処分を自分が負う可能性もありますので注意しましょう。

自賠責保険は使用できない

自賠責保険は、人身事故に限り加害者側が損害賠償責任を負う場合に保険金が支払われます。物損事故では、自賠責保険を使用することはできませんので、物損事故を起こしてしまった場合には任意保険でカバーする必要があります。また加害者が任意保険に未加入であった場合には、加害者から保険金を受け取ることが難しいため、事故を起こさないのが良いのですが、任意保険の物損に対する補償部分を充実させておくことも必要でしょう。

物損事故だとケガがないとみなされてしまう場合があるので注意が必要

物損事故はガードレールや電柱や死傷者が居ない物に損害がある交通事故を指すため、運転者や搭乗者、通行人などへの人的被害(ケガなど)はないと判断されてしまいます。
たとえ、後遺症が残ったり後から痛みが出たとしても、治療費や慰謝料の請求が難しくなるので注意しましょう。

実況見分が行われない

人身事故の場合は実況見分が行われますが、物損事故の場合は実況見分が行われないため、実況見分調書が作成されません。
実況見分調書は過失割合の主張の根拠となる書類、または交通事故の状況等について記載された書類のことです。
事故手続きにおいて、当事者双方の過失割合を交渉する際に実況見分調書を示すことができない場合には、不利になってしまう可能性があります。

人身事故として処理をしたくない加害者側の理由

加害者側が人身事故として処理しない理由として、「損害賠償金が低くなる」「物損事故では原則として慰謝料が請求されない」「物損事故では実況見分調書が作成されない」「行政処分や刑事処分がない」などのメリットがあります。
加害者や警察から「物損事故にしてほしい」と依頼された場合でも、被害者側のリスクが高まる可能性、またデメリットが多くなるため、「痛みも少ししかないからいいか」「相手も悪い人じゃないから可哀想」とかではなく、慎重に判断しましょう。

 

物損事故と人身事故は請求できる損害賠償項目が違います。
物損事故の場合、車両などの車両の損傷や、構築物(家の壁など)の破損を修理するためにかかる費用などにとどまることがほとんどですので、人身事故に比べて賠償金が高額になることはありません。このような理由から、加害者側は物損事故として処理しようとする可能性がありますが、被害者の方は初めから人身事故として処理をすることで、今後の交渉を円滑に進めることができます。

物損事故から人身事故へ切り替えるにはどうしたら良いのか?

交通事故を物損事故から人身事故へ切り替えるときは、さまざまな手続きが必要です。
ここでは、手順と必要書類、切り替えの期限について紹介します。

手順と必要書類

・加害者側の保険会社に連絡する
・病院の診断を受け診断書を作成してもらう
・警察署に診断書を提出する
・警察署で人身事故への変更手続きをする
・警察による事情聴取や実況見分に応じる

 

まずは、加害者側の保険会社に連絡してから、手順良く進めていきましょう。
次に、痛みがあるので、必ず病院へ受診し診断書をもらいます。
医師の判断により交通事故での痛みが出てると診断が必要です。

 

診断書や車検証、運転免許証などを持参して、警察署で人身事故への切り替え手続きが必要です。
その後は警察による事情聴取や実況見分などが必要になります。
実況見分調書は損害賠償を請求する際に重要な書類になります。
警察側での処理が完了すると、自動車安全運転センターから「人身」の記載がある交通事故証明書が発行されます。

切り替えの期限

法律上は、切り替えの期限が定められていませんが、事故から1週間以上時間が経ってしまった場合、ケガと事故の因果関係を疑って警察が切り替えに応じないこともありますので、
事故の後に何らかの症状、痛みが出た場合はすみやかに受診しましょう。

人身事故と物損事故で支払われる慰謝料の違い

人身事故では慰謝料の請求が可能ですが、物損事故では別です。
被害者に慰謝料請求ができないとされてます。
理由としては、精神的苦痛を負うと考えられていないためです。、
また、加害者側が示談を求めてきたときに、人身事故に比べて示談金が低額になる場合もあります。

人身事故への切り替えを警察から断られたとき

警察で人身事故への切り替えを断られた場合は、「人身事故証明書入手不能理由書」を作成しましょう。
「人身事故証明書入手不能理由書」は、人身事故証明書入手不能理由書とは、交通事故証明書のうち、人身事故の証明書が取得できない場合に作成することのある書類です。
加害者側の保険会社に提出することで、治療費などを受け取れる場合があります。

弁護士 大橋史典

人身切り替えを行う場合には、ケガが交通事故の影響によって生じたことを示す確かな証拠が必要です。けがをしているのであれば、交通事故にあってから早めに医療機関を受診し、診断書を作成してもらって警察署へ届け出ることを交通事故専門は勧めます。医師に診断書を作成してもらう際には、ケガと交通事故との間に因果関係があることを明確に記載してもらいましょう。また、専門的な手続きや判断が必要なことから、弁護士に切り替え手続きを依頼することも検討するとよいでしょう。

交通事故を人身事故として処理しない場合に考えられる被害者のリスクを知っておこう

交通事故を人身事故として処理しない場合に起こり得る被害者のリスクを紹介しました。
交通事故が起きたときに慌ててしまい、自分にケガがないか正しく判断できないこともあるでしょう。
とりあえず物損事故にしてしまった場合でも、体の痛みや不調に気付いたときは、早めに病院を受診して人身事故への切り替え手続きを行いましょう。

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