むち打ち症の診断について!症状固定のタイミングについても徹底解説!!

交通事故による怪我のなかで、代表的なものとして挙げられるだけでなく、後々の大きな問題の種となることがあるのが、「むちうち症」です。
むち打ち症は、交通事故で追突された際に、頭を前後に激しく揺さぶられ、頭が急激に揺れることで受ける外傷です。首の筋肉を硬直させ、首の周りの神経や靭帯を損傷する傷病のことです。

「むちうち症」の定義

「むちうち症」の定義を簡単に説明すると、追突などの交通事故による衝撃で首がしなってしまい、神経等が損傷する(神経や靱帯が伸びる・切れる)傷病です。主な症状としては、首の痛み、手のしびれなどがありますが、そのほかにも、頭痛やめまい、倦怠感など、様々な症状が現れる場合があります。また、腰を打った場合は、腰の痛み、足のしびれが主な症状となります。

「むちうち症」は様々な診断名

一般的に、「むちうち症」と呼ばれる傷病については、その症状や部位によって、診断書には様々な診断名で記載されます。

 

・頚部捻挫(けいぶねんざ)
・ 頚椎捻挫(けいついねんざ)
・ 頚部挫傷(けいぶざしょう)
・ 頚部打撲(けいぶだぼく)
・ 頚部症候群(けいぶしょうこうぐん)など

 

骨折や靱帯の断裂等のような、はっきりとした損傷がないにもかかわらず発生する神経症状であるため、レントゲンなどで簡単に診断することが難しいという問題点があります。
主な症状として、首の痛みや手のしびれなどがありますが、頭痛やめまい、倦怠感など、様々な症状が現れる場合があります。いずれも、主訴であり、症状はそれぞれで大きく異なります。

大切なのは、医師に伝えること

目に見える怪我ではないため、伝えづらいこともありますが、事故直後から感じている痛みやしびれ、日常生活で困っていることなどは、医師にしっかり話すことが大切です。また、ある程度時間が経ってから、それまでなかったような症状が現れることもありますので、そのような場合は、医師に相談し、病歴として正式に記録してもらうことが大切です。

 

これは、後に後遺障害認定のための資料として必要となる可能性があるからです。後遺障害等級認定の際は、症状が事故直後から出ていることや、治療中一貫して継続していることを証明する必要があります。カルテに自覚症状を記載してもらったり、自分自身でも、体調の変化などを記録しておくようにすれば後に大きく役立つことがあります。

診断に必要な検査

まず早い時期から、レントゲンやMRI検査で画像を撮ってもらいましょう。
異常所見がないか、あるとしたら具体的にどこがどうなのかきちんと説明を受けましょう。
たとえば、頸椎の何番目に損傷があるとか、圧迫所見があるなどといったことです。
自分自身で確認して記録しておくことも大切です。
次に受けておくべきなのが、神経学的検査です。

 

代表的な検査として、
・知覚検査
・握力検査
・深部腱反射検査
・筋萎縮検査
・徒手筋力検査
・ジャクソンテスト
・スパーリングテスト
などがあります。

 

これらも、受傷の初期段階から受けておくことをおすすめします。正しく診断・治療するためには、専門的な知識が必要が必要です。むち打ち症の後遺症があると思われる場合は、専門科や症例数の多い病院を選んで受診することも大切です。詳しく、検査、診断、治療を受け、最終的には怪我による障害がなくなったと認定されることが必要です。

症状固定をすると

交通事故でむち打ち症になり、治療を続けても症状があまり変わらなくなると、症状固定となります。一般的にむち打ちでの症状固定の期間は6ヶ月と言われており、症状固定になると、保険会社による治療費支払いや休業補償が終了し、後遺障害等級の申請をするかどうかの判断が必要になります。
症状固定後も、被害者側の判断でリハビリなどの治療を続けることは可能ですが、健康保険を使うなどして自己負担での通院になります。

症状固定のタイミング

症状固定は本来、治療をしても大きな変化がない状態になった時期に行うものですが、実際には、保険会社の判断・主治医の先生の判断・被害者自身の判断等により、時期がずれることがあります。
後遺障害等級の申請をするには、6か月以上治療した上で症状固定にする必要があります。保険会社が治療費の支払いを打ち切らなければ、6か月以上治療を継続することも可能ですが、その結果、後になって治療期間の相当性が問題になったり、症状が軽快して後遺障害の対象から外れることもあり得ます。そのため、保険会社から治療費の支払いを打ち切られなくても、治療を長期化させず、交通事故発生から6か月以上経過すれば症状固定とするといったことも検討しておく必要があります。

示談交渉は急がずに

完治したと判断できる状態になったなら、示談交渉に入りましょう。また、半年以上治療を続けても、症状が大きく変化しないようだったら「症状固定」とすること検討し診断に必要な検査を受けるようにしましょう。害等級の認定手続きや、その後の示談交渉の手続きへと進んでいくことになります。
症状固定の時期は、症状の程度は医師の判断により、適応の確定は異なりますが、後遺障害等級を考慮する場合、事故発生から6ヶ月以上の治療期間が必要です。適切な後遺障害等級を確保するためには、正確な診断書を作成する必要があります。診断書の内容が十分かどうか、後遺障害等級申請の複雑な手順、後遺障害等級認定後の交渉などを考慮し、交通事故案件を多数経験している弁護士に相談し、ストレスなく円滑に問題を解決してもらうことをお勧めします。

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