慰謝料を早く受け取るには?
内払い・仮渡金・被害者請求・人身傷害保険・部分先行示談まで、状況に応じた最短ルートを選べるよう整理しました。
結論サマリー
内払い(任意保険)
示談前に実際に発生した損害の一部を前払い。主に休業損害で利用。可否・金額は相手任意保険の判断。
仮渡金(自賠責)
ケガの重さに応じた定額を1回だけ先払い(5/20/40/290万円)。早いが過払いは返金の可能性。
治療費は「任意一括対応」で病院へ直接支払いになることも。自賠責の「内払い制度」は2008/10/1に廃止済み。
比較表|どれを使う?
| 項目 | 内払い | 仮渡金 | 被害者請求 |
|---|---|---|---|
| 請求先 | 加害者側の任意保険 | 加害者側の自賠責 | 加害者側の自賠責 |
| 金額の決まり方 | 実際の発生損害ベース(保険会社判断) | 傷害の程度で定額(5/20/40/290万円) | 自賠責基準計算(上限あり) |
| 回数 | 制限なし(実務は月次など) | 1回のみ | 必要に応じて請求可 |
| 受取までの目安 | 請求後1週間〜1か月 | 書類整い次第で比較的早い | 書類精査後に支払(自賠責の審査期間) |
| 返金リスク | 基本なし | あり(最終賠償を上回った分) | 最終精算で過不足調整 |
| 向くケース | 休業損害など定期補填/返金回避 | 無保険・内払い拒否/とにかく早く | 任意の支払待てない/無保険 |
内払いとは?|仕組み・時期・必要書類
概要
- 示談前に慰謝料・賠償金の一部を前払い(任意保険の裁量)。
- とくに休業損害で用いられることが多い。治療費は任意一括で病院へ直接払いの場合も。
いつもらえる?
請求から約1週間〜1か月が一般的。未発生分(未来分)は不可。例:休業損害は通院開始から1か月経過分など。
請求の流れ
- 相手任意保険に内払い可否を確認
- 費目ごとの必要書類を提出(例:休業損害証明、賃金台帳など)
- 審査・支払
専業主婦など減収が実際に発生していない場合は内払いが認められないことも。
上限の目安
回数制限はないが、実務上は自賠責の支払限度(傷害120万円 等)を意識した運用が多い。
仮渡金とは?|金額・必要書類・注意点
請求できる金額(自賠責)
- 5万円:11日以上の治療
- 20万円:入院14日以上 又は治療30日以上 等
- 40万円:長期・重度の骨折等(所定要件)
- 290万円:死亡
必要書類の例
- 仮渡金請求書・交通事故証明書・事故状況報告
- 診断書(死亡時:死亡診断書・戸籍)
- 代理請求時:委任状・印鑑証明
仮渡金は定額先払いのため、最終的な慰謝料・賠償金より多く受け取っていれば返金が必要。
内払い・仮渡以外の前倒し手段
(1)人身傷害保険の活用
自身の任意保険から実費相当が支払われ、過失割合の影響も受けにくい。最終賠償は加害者側へ請求継続。
(2)自賠責への被害者請求
自賠責分だけ示談前に先払い。限度額・基準あり。
(3)後遺症が見込まれるときの部分先行示談
治療費・入通院慰謝料・休業損害など傷害部分のみ先に解決する方法。相手が応じない/金額を下げてくる可能性に注意。
ケース別の選び方
月々の生活費が厳しい
- 内払い(休業損害の月次補填)
- 不足分は被害者請求で補助
相手が無保険/内払い拒否
- 仮渡金+被害者請求で前倒し
返金は絶対避けたい
- 内払い中心で実損ベース
早くまとまった額が必要
- 仮渡金(定額・迅速)
- 人身傷害保険の活用も検討
併用は可能。ただし総受取>最終賠償額になると返金リスク。増額交渉まで見据えた設計が安心です。
弁護士に相談する理由(早期・増額の両立)
- 最短ルート設計:内払い/仮渡金/被害者請求の最適組み合わせを設計、返金リスクも管理。
- 増額交渉:相手提示(任意保険基準)を弁護士基準に近づける交渉・立証。
- 書類整備:休業損害証明、診断書の記載ポイント、必要添付の抜け漏れ防止。
弁護士費用特約があれば自己負担ゼロ〜小額で依頼できる場合が多いです。
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