自賠責の「7日加算」とは|計算ルール・増額パターン・注意点







自賠責の「7日加算」とは?増額の仕組み・判定ルール・使いどころ

7日加算で対象日数が増えると、入通院慰謝料は約3万円(4,300円×7日)上振れの余地。ただし総じて自賠責は最低補償。弁護士基準との比較や例外計算も一気に理解できます。

目次
  • 7日加算の定義と位置づけ
  • 計算式(自賠責)と「対象日数」の選択ロジック
  • 起算日・終了日の取り扱い(7日ルール)
  • 7日加算が「増える/増えない」モデルケース
  • ギプス自宅療養などの例外カウント
  • 自賠責の特性:限度額・過失相殺・減額取り扱いの違い
  • 弁護士基準との比較と実務上の最適解
  • 無料相談・弁護士費用特約の活用ポイント

1. 自賠責保険の慰謝料における「7日加算」とは

7日加算は、自賠責基準で入通院慰謝料を計算するとき、一定の条件を満たす場合に治療期間を実際より7日長くみなす取り扱いです。対象日数が増える結果、おおむね約3万円(4,300円×7日)の増額余地が生じます。

注意: 7日加算が適用されても、自賠責自体は最低補償の枠組みであり、総額は弁護士基準に比べると低めにとどまります。

2. 自賠責の計算式と「対象日数」選択ロジック

説明
4,300円 × 対象日数 2020年3月31日以前の事故は4,200円。
対象日数 = min(治療期間, 入院日数 + 実通院日数×2) 短い方を採用。7日加算は「治療期間」側を+7日できる取り扱い。
コツ: 実務では「治療期間」と「入院+通院×2」のどちらが短いかを先に当てると増額可否の見込みがすぐに判定できます。

3. 起算日・終了日の取り扱い(7日ルール)

起算日

  • 事故後 7日以内に治療開始:起算日は「事故日」
  • 事故後 8日以降に治療開始:起算日は「治療開始日の7日前」

終了日

  • 最終受診から7日以内に治癒:終了日は「治癒日」
  • 最終受診から8日以降に治癒:終了日は「最終受診日の7日後」
  • 症状固定が宣言:終了日は「症状固定日」
上記の取り扱いを前提に、診断書の記載(治癒見込/継続/転医/中止)があると7日加算の適用対象となります。

4. 7日加算で「増える/増えない」モデルケース

増える例

治療期間50日/通院日数30日

判定 対象日数 金額(概算)
7日加算前 min(50, 30×2=60) = 50 4,300×50 = 215,000円
7日加算後 min(50+7=57, 60) = 57 4,300×57 = 245,100円

増えない例

治療期間50日/通院日数20日

判定 対象日数 金額(概算)
7日加算前 min(50, 20×2=40) = 40 4,300×40 = 172,000円
7日加算後 min(50+7=57, 40) = 40 4,300×40 = 172,000円(変化なし)
通院実日数×2 が常に短いケースでは、治療期間側を7日増やしても採用側が変わらず、金額は動きません。

5. 例外カウント:ギプス自宅療養は入院換算のことあり

骨折等によりギプス装着で自宅療養の場合、その日数を入院日数とみなす取り扱いがあり得ます(対象となる部位:長管骨・脊柱・三大関節・体幹ギプス等)。

例:入院10日 + 通院30日 + 自宅療養(ギプス)10日 → 慰謝料計算上は 入院20日 + 通院30日 とみなす可能性。

頚椎カラーや鎖骨固定帯などは対象外の扱いが一般的。診療録・医師の指示記載の有無が重要です。

6. 自賠責の特性:最低補償・限度額・過失相殺の取り扱い

(1)慰謝料の種類

  • 入通院慰謝料:治療中の精神的苦痛
  • 後遺障害慰謝料:等級1〜14級で金額固定
  • 死亡慰謝料:本人分+遺族分(人数・扶養で変動)

(2)最低補償・限度額

区分 限度額の目安
傷害(治療費・休業損害・入通院慰謝料) 120万円
後遺障害 75万〜4,000万円(等級による)
死亡 3,000万円

限度超過分は任意保険加害者本人への請求で補填します。

(3)過失相殺・その他の減額

  • 傷害:被害者過失7割未満は減額なし/7〜10割未満は2割減
  • 後遺・死亡:7割未満減額なし、7〜8割未満2割減、8〜9割未満3割減、9〜10割未満5割減
  • 素因減額:自賠責は原則適用なし
  • 因果関係不明:自賠責は原則50%減を上限とする扱い
被害者過失が大きいときは、自賠責のみでの回収が任意保険経由より有利になるケースも(例:総額150万円・過失4割なら、任意保険だと90万円、自賠責のみだと120万円)。

7. 弁護士基準との比較:7日加算なしでも総額は大きくなりやすい

弁護士基準では7日加算そのものは適用されません。しかし、通院月数ベースの相場表で算定するため、多くのケースで自賠責より大幅に高額になります。

モデルケース 自賠責 弁護士基準
通院のみ・軽傷(30日/実通院15日) 約12.9万円 約19万円
通院のみ・軽傷(60日/実通院30日) 約25.8万円 約36万円
入通院・重傷(90日:入30・通30) 約38.7万円 約98万円
入通院・重傷(180日:入60・通60) 約77.4万円 約165万円
7日加算で+3万円前後の伸びが見込めても、弁護士基準へ切り替えれば数万〜数十万円規模で差が出るのが一般的です。

8. 実務アクション:増額交渉・費用特約・無料相談

  • 提示額チェック:社内基準(任意保険)か、相場(弁護士基準)かをまず判定。
  • 証拠整備:診断書、画像、通院履歴、領収書、処方記録、ギプス期間の指示記載。
  • 7日加算の該当性:診断書の「治癒見込/継続/転医/中止」記載を確認。
  • 弁護士費用特約:自己負担0円〜で交渉・申請を委任できるケース多数。翌年保険料への影響は通常なし。

「うちのケース、どこまで増える?」を今すぐ判定

7日加算の適用可否だけでなく、弁護士基準へ切り替えた場合の伸びしろを一度試算しましょう。
診断書と通院履歴があれば、初期判断はすぐ出せます。

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