交通事故の慰謝料は誰が払う?支払ってもらえないときの対処法
交通事故に遭ったあと、「慰謝料は誰が支払うの?」「保険会社?それとも加害者本人?」と不安に思う方は多いでしょう。
結論から言うと、慰謝料の支払いは基本的に加害者が加入している任意保険会社が行います。ただし、加害者が無保険の場合や、業務中・未成年者が加害者のケースなど、例外的な状況では請求先が異なります。
この記事では、慰謝料の支払いの仕組み、法律上の原則、そして「支払われないときの対処法」までわかりやすく解説します。
1. 交通事故の慰謝料は誰が払う?
加害者側の任意保険会社が支払うのが基本
交通事故の慰謝料は、加害者の任意保険会社が被害者に対して支払うのが一般的です。多くのドライバーは任意保険に加入しており、示談成立後、被害者の口座に直接振り込まれます。
自賠責保険と任意保険の違い
まず、自賠責保険は全ての車両が加入を義務付けられている「強制保険」で、最低限の補償(最大120万円)が行われます。これを超える損害については、任意保険で補償する仕組みです。
つまり、自賠責保険で足りない部分を任意保険で補う形で、被害者は実際の損害額に見合った慰謝料を受け取れるようになっています。
法律上は加害者本人の責任
民法709条により、慰謝料を支払う法的義務は加害者本人にあります。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
— 民法第709条(不法行為による損害賠償請求)
しかし現実的には、慰謝料や損害賠償金は数百万円〜数千万円に上ることも多く、個人で支払うのは困難です。そのため、実際の支払いは任意保険会社が代行する形になります。
2. 保険会社以外が慰謝料を払うケース
① 加害者が無保険の場合
加害者が自賠責にも任意保険にも加入していない場合、慰謝料は加害者本人が支払うことになります。
この場合、加害者に資力がなければ支払いが滞ることも多いため、被害者請求や財産差し押さえなどの法的手続きを検討する必要があります。
② 加害者が業務中だった場合
加害者が仕事中に起こした事故では、雇用主(会社)にも「使用者責任」が生じます(民法715条)。
つまり、会社が従業員の監督を怠っていた場合などは、会社にも慰謝料の支払い義務が発生することがあります。
③ 加害者が未成年(子ども)の場合
加害者が未成年で責任能力がない場合、慰謝料の請求先は保護者(親)になります。
ただし、保護者が適切に監督していたと証明できる場合は、責任を免れる可能性もあります。
3. 慰謝料はいつ支払われる?
慰謝料は、示談が成立した後、約2週間前後で支払われるのが一般的です。
慰謝料支払いまでの流れ
- ① 警察に事故届け出 → 交通事故証明書を取得
- ② 病院で治療・通院(治療期間は慰謝料に影響)
- ③ 症状固定・後遺障害等級認定
- ④ 損害額算定・示談交渉
- ⑤ 示談成立 → 2週間前後で支払い
4. 支払われないときの対処法
① 自賠責保険への被害者請求
加害者が保険手続きを進めない場合でも、被害者自身が自賠責保険へ直接請求(被害者請求)できます。
② 自分の保険を使う(人身傷害・無保険車傷害特約)
加害者の支払いを待たず、被害者自身の保険から先に慰謝料や治療費を受け取れる方法です。迅速に補償を受けたい方に有効です。
③ 政府の「自動車損害賠償保障事業」
ひき逃げや無保険車両による事故の場合、国の保障制度を利用して補償を受けられる場合があります。
④ 労災保険を利用
通勤中や業務中の事故なら、労災保険によって治療費・休業補償を受けられます。
⑤ 弁護士に相談
慰謝料が支払われない・提示額が低いなどのトラブルは、弁護士の交渉介入で解決率が大幅に向上します。
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Q. 交通事故の治療費は誰が払う?
Q. 慰謝料の支払い額はどうやって決まる?
Q. 加害者もケガをしていたら?












