主婦(主夫)の交通事故慰謝料はいくら?
休業損害・逸失利益の正しい計算と注意点
「収入がないから慰謝料が少なくなるのでは…」そんな不安を抱く主婦(主夫)の方へ。
交通事故の慰謝料額は、収入の有無に関係なく算定されます。
また、主婦でも休業損害や逸失利益を請求できます。この記事では、その仕組みと相場、弁護士相談の重要性を解説します。
主婦が請求できる交通事故の損害賠償とは?
交通事故で受け取れる損害賠償金には、以下のような費目があります。
- 入通院慰謝料:治療中に受けた精神的苦痛に対する補償
- 後遺障害慰謝料:後遺症が残った場合の精神的苦痛の補償
- 死亡慰謝料:死亡による被害者本人および遺族への補償
- 休業損害:ケガで家事・仕事ができない間の損害
- 逸失利益:後遺症で将来の収入・労働能力が減少した損害
主婦(主夫)は「家事労働」も社会的価値を持つため、賃金労働と同じように損害賠償の対象となります。
入通院慰謝料の相場と基準比較
交通事故慰謝料の金額は、どの基準で計算するかによって大きく異なります。
| 基準 | 特徴 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 国の最低基準。日額4,300円で算定。 | もっとも低額 |
| 任意保険基準 | 保険会社独自の内部基準。 | 自賠責とほぼ同等 |
| 弁護士基準 | 裁判で採用される基準。 | 最も高額 |
通院期間ごとの慰謝料比較
| 通院期間 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | 約12.9万円 | 約28万円 |
| 3ヶ月 | 約38.7万円 | 約73万円 |
| 6ヶ月 | 約77.4万円 | 約116万円 |
たとえばむちうちで3ヶ月通院した場合、自賠責基準では約38万円、弁護士基準では約53万円と大きな差が生じます。
死亡慰謝料|主婦の金額は?
死亡事故の場合、主婦(母親・配偶者)の死亡慰謝料は弁護士基準で約2,500万円。
自賠責基準では最大でも1,350万円程度となり、約1,000万円以上の差があります。
休業損害の計算方法(主婦の場合)
休業損害とは、ケガで家事や仕事ができなかったことによる損害です。
主婦も「家事労働者」として扱われるため、休業損害を請求できます。
主婦の基礎収入日額
| 基準 | 日額 |
|---|---|
| 自賠責基準 | 6,100円 |
| 弁護士基準 | 約10,575円(賃金センサスから算定) |
治療期間中に家事ができなかった日数に応じて、この日額を掛け合わせて算出します。
家事労働も「社会的労働」として認められており、専業主婦でも休業損害を請求可能です。
逸失利益の計算方法と具体例
後遺症が残った場合、将来的に失う収入分を補償するのが逸失利益です。
専業主婦・兼業主婦ともに対象です。
計算式:
基礎収入 × 労働能力喪失率 × ライプニッツ係数
| 等級 | 労働能力喪失率 |
|---|---|
| 1級 | 100% |
| 5級 | 79% |
| 10級 | 27% |
| 14級 | 5% |
例えば、症状固定時37歳・後遺障害14級の専業主婦なら、
382万円 × 5% × 4.58 = 約87万円が目安です。
主婦の慰謝料増額事例
| 事例 | 保険会社提示額 | 弁護士介入後 | 増額幅 |
|---|---|---|---|
| Aさん(専業主婦・50代) | 28万円 | 69万円 | +41万円 |
| Bさん(兼業主婦・20代) | 71万円 | 161万円 | +90万円 |
| Cさん(兼業主婦・70代) | 555万円 | 1,157万円 | +602万円 |
弁護士に依頼すべき理由
- 弁護士基準で慰謝料を増額できる
- 示談交渉を任せて家事や治療に専念できる
- 弁護士費用特約を使えば費用負担なし
弁護士が介入すると、保険会社は裁判を避けるために相場額を提示する傾向があります。
交通事故の慰謝料・示談金でお悩みの方へ
示談金の中に慰謝料が含まれていることを正しく理解し、損しないための判断を。
交通事故専門の無料相談なら「ジコまど」がサポートいたします。












