自賠責保険の慰謝料|金額・計算方法・請求手続きと任意保険との関係






自賠責保険の慰謝料|金額・計算方法・請求手続きと任意保険との関係


自賠責保険の慰謝料をゼロから理解する

最低限の補償=自賠責基準。入通院は日額4,300円、後遺障害は等級で32万〜1,850万円、死亡は400万〜1,350万円。任意保険との関係や請求手続き、損しない進め方まで。

最終更新:2025/10
目次

自賠責保険とは?補償内容を解説

自賠責(自動車損害賠償責任保険)は強制加入。人身事故の最低限補償のみが対象で、物損は対象外です。

区分 主な補償項目
ケガ 治療関係費/入通院慰謝料/休業損害 など
後遺障害 後遺障害慰謝料/後遺障害逸失利益 など
死亡 死亡慰謝料/死亡逸失利益/葬祭費 など

対象外:車の修理費・評価損・代車費用・積載物損・ペット治療費 など

慰謝料は「自賠責基準」で計算される

自賠責は国定の基準で算定(最低額)。他の基準との違いは以下のとおり。

基準 概要 相場感
自賠責基準 法令に基づく最低補償 最も低い
任意保険基準 各社内基準(非公開) 自賠責と同等〜やや高い
弁護士基準 裁判実務の基準(赤い本) 最も高く法的正当性あり

自賠責の慰謝料計算

入通院慰謝料|4,300円 × 対象日数

対象日数=治療期間実治療日数×2 の短い方(2020/3/31以前は4,200円)。

治療期間(実通院) 自賠責 弁護士基準(重傷/軽傷)
1か月(5日) 4.3万円 28万 / 19万
1か月(10日) 8.6万円 28万 / 19万
1か月(15日) 12.9万円 28万 / 19万
2か月(10日) 8.6万円 52万 / 36万
2か月(20日) 17.2万円 52万 / 36万
2か月(30日) 25.8万円 52万 / 36万
3か月(20日) 17.2万円 73万 / 53万
3か月(40日) 34.4万円 73万 / 53万
3か月(60日) 51.6万円 73万 / 53万

診断書の「治癒見込・継続・転医・中止」記載で7日加算あり。加算後も「実治療日数×2」との短い方を採用。

後遺障害慰謝料|32万〜1,850万円

等級と被扶養者の有無で決定。以下は主要抜粋(万円)。

等級 扶養あり 扶養なし
1級・要介護 1,850(1,800) 1,650(1,600)
2級・要介護 1,373(1,333) 1,203(1,163)
1級 1,350(1,300) 1,150(1,100)
2級 1,168(1,128) 998(958)
3級 1,005(973) 861(829)
4〜14級 扶養有無で変動なし:4級737 / 5級618 / 6級512 … 14級32

()は2020/3/31以前事故。むちうちは12級 or 14級に認定されうる。

死亡慰謝料|400万〜1,350万円

内訳 金額
被害者本人分 400万円(旧350万円)
遺族分:遺族1名 +550万円
遺族分:遺族2名 +650万円
遺族分:遺族3名以上 +750万円
被扶養者あり 上記に+200万円

請求で損をしないための注意点

  • 上限額:傷害120万/後遺障害75万〜4,000万/死亡3,000万(治療費・休業損害等含む)
  • 時効:傷害=事故翌日から3年、後遺障害=症状固定翌日から3年、死亡=翌日から3年
  • 過失相殺:過失が7割未満なら減額なし。7割以上で段階的に2〜5割減額

自賠責から慰謝料をもらう手続き

(1)被害者請求|示談前でも可能

被害者が自賠責に直接請求。審査後に自賠責基準で支払い。早く資金が必要なときに有効。

(2)加害者請求|任意一括対応で適用

任意保険(または加害者)が先払い→自賠責分を清算。請求窓口が一本化され手間が少ない。

(3)仮渡金請求|前払い制度

区分 金額
死亡 290万円
重い傷害(例:大腿骨骨折 等) 40万円
一定の傷害(入院等) 20万円
11日以上の治療 5万円

書類不備がなければ約1週間程度で入金目安(制度上の標準)。

自賠責と任意保険の関係|両方から受け取る

限度額までは自賠責、超過分は任意保険。重複支払いはなし。

項目 自賠責 任意保険
加入義務 あり(強制) なし(任意)
基準 法令(自賠責基準) 各社基準(非公開)
物損補償 なし あり(契約内容による)

両方からもらう方法

  1. 被害者請求+任意保険へ不足分請求(早期資金確保向き)
  2. 任意保険一本で示談→社間清算(手間を省く)

任意保険未加入・不使用の加害者の場合、超過分は加害者本人へ請求。

自賠責は低額。弁護士基準での増額を目指す

  • 任意保険が提示するのは概ね「自賠責〜社内基準」。弁護士基準との差が大きい。
  • 弁護士介入で裁判リスクが顕在化→示談で相場に近づく。
  • 弁護士費用特約があれば自己負担ゼロ〜小。家族の特約が使える場合も。

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