交通事故の示談金と慰謝料の違いとは?損しないための基礎知識と計算方法
交通事故に遭った後、「示談金」と「慰謝料」という言葉が出てきて混乱したことはありませんか?
実はこの2つ、どちらもお金の支払いに関する用語ですが、意味が異なります。
この記事では、示談金と慰謝料の違い・内訳・計算方法を、被害者目線でわかりやすく解説します。
違いまとめ
示談金:損害賠償の総称(慰謝料を含む)
慰謝料:精神的苦痛に対する損害賠償金の一部
1. 示談金と慰謝料の違い
● 示談金とは損害賠償の総称
示談金とは、加害者(または保険会社)が被害者に支払う損害賠償金の総額を指します。
つまり「治療費・休業損害・慰謝料・逸失利益」などすべてを含む金額のことです。
| 内訳項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療費 | 診察料、投薬料、入院費など |
| 休業損害 | 治療のために働けなかった期間の収入補償 |
| 逸失利益 | 後遺障害や死亡で失われた将来の収入 |
| 慰謝料 | 事故による精神的苦痛への補償 |
つまり、慰謝料は示談金の一部という位置づけになります。
● 慰謝料とは精神的苦痛への補償
慰謝料とは、事故による痛みや通院の苦労、後遺症などの心の負担に対して支払われるお金です。
代表的には以下の3種類があります。
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 死亡慰謝料
これらはケガの重さや治療期間、等級によって金額が変わります。
注意:
「慰謝料と示談金は別々にもらえる」という誤解がありますが、実際は慰謝料は示談金に含まれています。
つまり、慰謝料を含めて最終的に合意した金額=示談金ということです。
2. 示談金の内訳と事故別の違い
(1)物損事故の場合
車や物だけが壊れ、ケガ人がいない場合は「物損事故」として扱われます。
この場合、精神的損害が認められにくいため慰謝料は原則支払われません。
| 主な項目 | 内容 |
|---|---|
| 修理費 | 破損した車の修理費 |
| 代車使用料 | 修理中にレンタカーを使用した費用 |
| 評価損 | 修理しても残る価値低下分 |
ただし、例外的に特別な感情的価値がある物(ペットなど)や悪質な加害行為では慰謝料が認められるケースもあります。
(2)人身事故の場合
ケガをした場合、物損に加えて治療費・休業損害・慰謝料などが請求できます。
慰謝料は「通院日数」や「治療期間」で金額が決まります。
(3)後遺障害が残る場合
後遺症が残った場合、さらに以下の項目が加わります。
- 後遺障害慰謝料
- 後遺障害逸失利益
- 将来介護費・補装具費
(4)死亡事故の場合
被害者が亡くなった場合は、死亡慰謝料・死亡逸失利益・葬儀費用などが対象になります。
3. 慰謝料の計算基準と増額方法
慰謝料の金額は「3つの基準」で決まります。
| 基準 | 概要 | 金額目安 |
|---|---|---|
| 自賠責基準 | 国の最低限の補償基準 | 最低額 |
| 任意保険基準 | 各保険会社が独自に定めた内部基準 | 中間レベル |
| 弁護士基準 | 裁判所の判例をもとにした基準 | 最も高額 |
たとえば、むちうちで3ヶ月通院した場合:
| 基準 | 慰謝料額 |
|---|---|
| 自賠責基準 | 約25万円 |
| 任意保険基準 | 約37万円 |
| 弁護士基準 | 約53万円 |
弁護士基準は約2倍の差が出るケースもあります。
4. 示談交渉で損しないためのポイント
- 保険会社の提示金額=必ずしも適正とは限らない
- 示談書にサインしたら原則再請求不可
- 後遺障害が残る場合は示談を急がない
- 弁護士基準で計算・交渉することで金額が上がる
10対0(もらい事故)では特に注意!
被害者側の保険会社が交渉できず、自分で加害者側保険会社とやり取りする必要があります。
不利になりやすいため、専門家のサポートが有効です。
5. 弁護士に相談するメリット
交通事故の示談金・慰謝料交渉では、弁護士が介入することで以下のような利点があります。
- 弁護士基準での増額交渉が可能
- 保険会社とのやり取りをすべて代行
- 過失割合・後遺障害等級の異議申し立てもサポート
- 弁護士費用特約を使えば実質無料で依頼可能
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