物損事故から人身事故への切替えは今からでもできる?方法と注意点を解説|診断書・警察手続・リスク・具体例





物損事故から人身事故への切替えは今からでもできる?方法と注意点を解説|診断書・警察手続・リスク・具体例


物損事故から人身事故への切替えは今からでもできる?方法と注意点を解説

質問:「警察を呼んでいないのですが、今からでも人身事故に切り替えできますか?」

交通事故直後にはケガに気づかず物損事故扱いにしてしまったものの、後になって首や腰の痛みが出てきて「やっぱり人身事故として届け出たい」というケースは少なくありません。結論として、事故後でも必要な手続きを踏めば物損から人身への切替えは可能です。ただし、そのためには医師の診断書が必須になります。本稿では、切替えの条件・放置リスク・具体的な手順を、初めての方にもわかりやすく解説します。途中で、実際の窓口対応で役立つチェックリストや具体例も提示します。

1. 物損事故と人身事故の違い/切替えの前提条件

物損事故は「人にケガがない事故(物だけの損壊)」、人身事故は「人が負傷または死亡した事故」を指します。重要なのは、事故でケガをしていても、医師の診断書を警察に提出しなければ“人身”として扱われないという点です(届出時は物損扱いのまま)。

  • 切替えは可能か?可能です。事故後に症状が出た場合でも、整形外科などで診断書を発行してもらい、警察に提出すれば、人身事故への切替え手続きができます。
  • 必須条件医師の診断書が“必須チケット”。これがなければ警察は人身として扱いません。
ポイント:「痛いけど我慢」や「整骨院だけで様子見」はNG。まず整形外科で受診→診断書が鉄則です。

2. 物損のまま放置するリスク(慰謝料・因果関係・時期の問題)

  • 賠償の取り漏れ:人身扱いにしないと、治療費・慰謝料・休業補償などの賠償が十分に支払われないおそれ。
  • 因果関係の証明が難化:事故証明が物損のままだと、後から出た痛みが事故によるケガと証明しづらい(保険会社から支払いを断られる典型パターン)。
  • 時間経過の不利:日数が経つほど「そのケガは本当に今回の事故か?」と疑われ、切替えが認められにくい傾向。一般に10日以内の手続きが望ましく、1か月超はトラブル化リスクが高まるとされます。
対策:少しでも異変を感じたら、すぐ受診→診断書→警察へ切替え申請。動きが早いほど有利です。

3. 人身事故への切替えの流れ:3ステップ

ステップ1|病院(整形外科)で診断書を取得

  • 事故の経緯・受傷部位・初診日がわかるよう説明し、診断書を発行してもらう。
  • 軽症でも必ず受診。むち打ち等は遅発症も多く、初動の記録が後に効きます。
  • 診断書料の領収書は保管(後日、加害者側へ請求可の目安)。

ステップ2|警察へ“人身事故切替え”を申請

  • 管轄警察署に連絡し、診断書を持参人身への切替え届出を行う。
  • 運転免許証、車検証、自賠責保険証、認印等を持参するとスムーズ。
  • 事前に電話で来署日時・必要書類を確認しておくと安心。

ステップ3|警察の調査(実況見分など)に対応

  • 被害者・加害者立会いで実況見分実施。状況確認→調書作成。
  • 手続き完了後、交通事故証明書が「人身事故」表記に。
    その後、ご自身の保険会社と、加害者側の保険会社へも人身扱いになった旨を速やかに連絡。

4. 警察・保険・病院で必要になる主な書類

場面 主な書類 補足
病院(整形外科) 診断書、診療明細、画像(レントゲン/MRI等) 初診日・部位・所見が明瞭なものを。経過も継続記録。
警察 診断書、免許証、車検証、自賠責証、認印等 管轄署の指示に従い、必要書類を準備。
保険会社 事故証明書、診断書、診療明細、領収書等 人身切替え後は速やかに連絡。支払いルートの確認も。

5. 具体例:ケース別シナリオと“やるべきこと”

ケースA:事故直後は無症状→翌日から首が痛い(むち打ち)

  • やること:翌日でも必ず整形外科を受診→診断書取得→警察へ切替え申請。早期受診が因果関係立証に有利。
  • NG:整骨院のみで様子見。医師の診断がないと保険対応で不利。

ケースB:加害者に「物損で」と頼まれたが、その後痛み出現

  • やること:配慮は不要。症状が出たら人身切替えを。診断書→警察→保険連絡の順。
  • 留意:交渉を恐れて先延ばしにすると、因果関係の証明が難化します。

ケースC:通院を整骨院中心で開始してしまった

  • やること:すぐに整形外科へ転換。医師の診断・経過記録を整える。以後は整形外科主導で整骨院併用。
  • 留意:医師のフォローがない通院は、保険会社の早期打切りの火種に。

ケースD:事故から2週間以上経過して症状が悪化

  • やること:遅くても受診→診断書→警察で相談。事情を説明し、これまでの経緯を丁寧に記録
  • リスク:切替えのハードルは上がるが、あきらめず医証を整備すること。

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 診断書があれば必ず切替えできますか?

診断書は必須条件ですが、事故とケガの因果関係は警察の判断対象です。時期・経過・医証の一貫性が重要です。

Q2. 期限はありますか?

明確な法定期限はないとされますが、早いほど有利。実務的には事故後10日以内が目安。遅れるほど難易度が上がります。

Q3. 先に整骨院へ行ってしまった…

直ちに整形外科へ。以後は医師主導でリハビリ等を整骨院併用。医師の診断・経過記録を軸にしましょう。

Q4. 保険会社への連絡はいつ?

人身切替え後すぐに。支払方法(病院窓口精算の可否など)や必要資料を確認し、領収書は全保管

Q5. 自費立替えになった場合は?

明細・領収書を保管のうえ、後日請求の道が残ります。健康保険の利用(実費圧縮)も検討。

7. ありがちな失敗と回避策チェックリスト

  • × 放置:「そのうち治る」はNG → ○ 早期受診で因果関係を確保。
  • × 整骨院だけ:医師の診断なしは不利 → ○ 整形外科主導で併用。
  • × 通院飛び飛び:記録が粗い → ○ 定期受診で一貫性を確保。
  • × 連絡省略:保険会社に事前相談なし → ○ 早めの連絡で支払ルート確認。
  • × 領収書紛失:裏付け欠落 → ○ すべて保管(診断書・明細・領収)。

8. 迷ったら専門サポート:「ジコまど」の使い方(※保険交渉は非対応)

📞 ジコまど相談窓口:https://jikomado.com/

初診手配(整形外科)/診断書取得サポート/警察への人身切替え同行/交通事故に慣れた整骨院の紹介/保険会社への提出物の整え方のアドバイス などをワンストップでサポートします。

※ジコまどは保険交渉そのものは行いません。必要に応じて連携専門家をご案内します。

無料で相談する

“相談の前に”まとめチェック

  • 整形外科の診断書を確保したか?(初診日・部位・所見)
  • 警察へ人身切替えの相談・届出は済んだか?
  • 保険会社へ人身扱い報告・必要資料の確認は済んだか?
  • 領収書や明細、画像データ等のエビデンス保全は万全か?
  • 物損事故と人身事故の違い(総説・実務解説):agoora.co.jp
  • 診断書提出と人身扱いの実務(自転車含む参考):jitenshajiko-sodan.com
  • 人身切替えの手順(診断書→警察→実況見分 等の概説):ko2jiko.com
  • 切替えタイミングの目安・注意点(因果関係・トラブル化回避):kotsujiko-yotsubasougou.com
  • 交通事故相談窓口(無料):ジコまど(※保険交渉は非対応)

【注記】本記事は一般的な解説です。警察・保険会社・医療機関の運用や最新基準は地域・時期で差異があり得ます。具体の可否や必要資料は各機関にお問い合わせください。


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