示談金を詳細解説!計算方法や増額するためのポイントも紹介

交通事故で怪我をされた方への慰謝料についてご存知でしょうか?今回は示談金の説明や慰謝料との対比、示談金の計算式、示談交渉の流れなど、示談金に関する基礎知識をお伝えします。是非ご参考にしてください。

交通事故に遭い、加害者からどのような賠償金を受け取ることができるのか分からない方も多いと思います。適正な金額はいくらなのか、相手の保険会社から提案された示談金は妥当なのか。
この記事では、あなたの権利や示談金の内訳など、示談金に関する必須知識を提供し、適正な金額を評価し交渉するためのポイントを教えます。さらに、示談金を最大化するための重要事項も掲載しています。交通事故の被害に遭われた方で、示談交渉に追われている方、困っている方は、ぜひ参考にしてください。

示談金について解説

交通事故に遭われた場合、労働できない期間が続くため、健康被害での入院や通院治療が必要になることがあります。示談交渉の際には、治療費や長期間の不就労による逸失利益などに応じて、加害者から受け取る金額を示談交渉する必要があります。事件に関する根拠となる知識がないと、少ない示談金を受け取る可能性があるので注意が必要です。

今回は、示談金について解説していきますので、参考にしてください。

示談金の基本情報

まずは、交通事故の示談金の基本情報について解説していきます。

自動車事故遭うと、身体に傷を負うだけでなく、仕事から離れる時間が多くなり、精神的に疲弊してしまうことがあります。そのようなときに落ち着いて示談金の意味や慰謝料との違い、相場といった基本情報をしっかり理解し、最も有利に示談交渉に取り組めるようにし、示談金に関する知識を身につけておきましょう。

 

出典:交通事故の示談金とは?相場と増額のポイントを弁護士が徹底解説|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/jidankin/32783/

示談金の意味

民法第709条によると、故意または不注意で他人の権利または法的に保護された利益を侵害した個人は、その行為から生じる反響に対して責任を負わなければならないとされています。これは不法行為とみなされ、賠償金の支払いが要求されます。また、交通事故において、加害者と被害者の間で損害賠償の合意がなされた場合、その合意によって支払われるものを「示談金」といいます。

つまり、交通事故の示談金とは、被害者が被った損害に対して支払われるお金という意味です。

 

出典:民法 | e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

示談金と慰謝料の違い

加害者は、被害者の精神的苦痛に対して補償を行う義務があり、慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して加害者から支払われるものです。
逆に、示談金とは、自動車事故の被害者が被った損害に対してのすべての賠償金をいいます。示談金に含まれるのは、怪我による入院費や治療費、休業による損害などであり、慰謝料もその一つです。

慰謝料は精神的苦痛に対して支払われるものであり、示談金の中に含まれるものであるという事です。

示談金には相場がない

そもそも支払いを請求する際の相場はいくらなのか、多くの人が関心を持つのではないでしょうか。交通事故による損害賠償は、被害者の怪我の程度、後遺障害の有無、事件のケースなどにより、決まった相場があるわけではありません。賠償金の提示を受けたら、それが正確な金額かどうか、事故の内容や受取人の状態を考慮しながら検証することが肝心です。とはいえ、慰謝料には、算定基準が決まっており自賠責基準、弁護士基準(裁判基準)、任意保険基準の3つがあり、それぞれ費用が異なるので、相場を確認しておくと良いでしょう。

 

出典:交通事故の示談金とは?相場と増額のポイントを弁護士が徹底解説|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/jidankin/32783/

示談金の内訳

示談金として請求できるものは、単に慰謝料をだけではありません。示談金には積極損害と消極損害、慰謝料とこの3つを合わせたものが示談金になります。それぞれがどのようなものなのかを理解していないと、示談金の中に自分が受けたすべての損害が含まれているか分かりませんし、提示されたものが正当なものか判断できません。
ここでは、示談金に含まれる項目の意味などを紹介していきます。

 

出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2

内訳①積極損害

積極損害とは、自動車衝突事故により発生した損害金をいいます。
具体的には具体的には、治療費・通院交通費・介護費・入院雑費・宿泊費・付添看護費・葬儀費用・その他の費用(介護のための家の改造費、器具購入費など)といったものがあります。
積極損害は、領収書やレシートなどで支出額が分かりますから、しっかり証拠として残しておいてください。

 

出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2

内訳②消極損害

消極損害とは、交通事故のために失った経済的損失のことです。
消極損害には、逸失利益と休業損害の2種類があり、逸失利益とは、後遺障害や死亡によって失われた利益に対する補償を指します。後遺障害による損失賃金は、障害が残って就業が不可能になったり、労働に支障が出た場合に請求できる「後遺障害逸失利益」と被害者が死亡した場合に、請求出来る「死亡逸失利益」の2つがあります。
休業損害とは、交通事故による怪我の治療で勤務出来ずに得られなくなった収入を補償するものです。

 

出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2

内訳③慰謝料

前述したように、精神的苦痛に対して賠償が行われ、交通事故の場合、加害者は、入通院慰謝料、後遺症慰謝料、死亡慰謝料の3種類の慰謝料があります。
入通院慰謝料は、事故による恐怖や怪我による通院・入院による不安などを補償するものです。
後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対して支払われるもので、症状が重い場合は親族への支給も追加されます。
死亡補償は、被害者の死亡により生じた悲しみなどの精神的ストレスに対して遺族に支払われます。

 

出典:交通事故の示談金|内訳・金額から示談交渉まですべて解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/18636#2

示談金の計算方法【慰謝料・休業損害】

提示された金額が妥当かどうかを判断するには、示談金がいくらなのかを知っているだけでは不十分です。提示された示談金が妥当かどうかを評価するためには、示談金の算出方法を知っておくことが必要です。以下では、示談金の中の慰謝料と休業損害の計算方法について見ていきます。前述したように、賠償金の算出には3つの基準がありますが、任意保険基準は保険会社により違いがあるため、ここでは自賠責基準と弁護士基準について説明します。

計算方法①自賠責基準の入通院慰謝料

自動車損害賠償保障法に基づき、自動車運転者は自賠責保険に加入することが義務付けられています。自賠責基準の入通院慰謝料は、症状に関係なく負担限度額を1日あたり4,300円、「日額×対象日数」で支払われる金額を計算することができます。
入通院慰謝料の計算のために使われる対象日数は、通院期間か実治療日数の2倍のどちらか少ない方です。

 

出典:自賠責保険(共済)とは?|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/insurance.html
出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

計算方法②弁護士基準の入通院慰謝料

弁護士に交通事故の示談交渉を依頼した場合、弁護士基準をもとに交渉や請求が行われます。弁護士基準とは、過去の裁判をもとに作成された基準で、「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」という本に掲載されているものです。
弁護士基準の入通院慰謝料には、むち打ちや打撲などの軽傷と、骨折や脱臼などの重傷の2つのルールがあり、入通院日数によって請求する慰謝料を決めます。

 

出典:当センターの刊行物について(青本及び赤い本)|公益財団法人日弁連交通事故相談センター
参照:https://n-tacc.or.jp/book#st-toc-h-3

計算方法③後遺障害慰謝料

後遺障害の等級に認定された場合に、受け取ることができるのが後遺障害慰謝料です。後遺障害慰謝料は、自賠責基準も弁護士基準も後遺障害等級に応じて金額が決まっています。自賠責基準と弁護士基準の後遺障害慰謝料は以下の通りです。
自賠責基準の場合、神経系統の機能または精神、胸腹部臓器への著しい障害があり介護が必要なケースは、第1級1,650万円、第2級1,203万円、それ以外のケースでは等級に応じて32万円~1,150万円が支払われます。
弁護士に依頼し弁護士基準で算定してもらった場合、等級に応じて110万円~2800万円程度を請求可能です。

 

出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

計算方法④自賠責基準の死亡慰謝料

自賠責基準では、死亡事故に対する補償は、死亡者とその遺族である親族で分けることができます。被害者に報いる損害賠償は、立場に関係なく400万円に固定されています。
遺族に関しては、慰謝料を求める請求者の数に応じて金額が変更されます。1人の場合は550万円、2人の場合は650万円、3人以上の場合は750万円です。さらに、被扶養者がいる場合は、200万円を上乗せして支払われます。

 

出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

計算方法⑤弁護士基準の死亡慰謝料

死亡した場合、弁護士基準では被害者の立場によって定められています。
死亡した方が家庭を支えていた場合は2800万円、配偶者や母親は2500万円、それ以外の独身者、未成年者、幼児、高齢者などは2000万円?2500万円でこの金額を基準に、事故状況を勘案して最終的な金額を決定していきます。ひき逃げなどの精神的苦痛が増大する事案であれば、この基準よりも慰謝料が高額になる可能性があります。

 

出典:死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/24373

計算方法⑥休業損害

休業損害の計算方法は、自賠責基準と弁護士基準とで異なります。
一般に、自賠責基準では、休業1日につき6,100円、で19,000円を上限としています。
これに対し、弁護士基準は、事故前の収入から1日あたりの基本給を出し、被害者の立場によって変化させるもので、職業ごとに基礎収入の計算方法が異なるため注意しましょう。

 

出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

示談金の計算方法【その他】

ここからは、治療費や紛失利益など、その他の示談金の計算方法を見ていきましょう。
示談金の総額を把握するためには、慰謝料や休業補償だけでなく、治療費や逸失利益などその他の示談金の項目についても、細かな計算方法や算定基準があります。
これらの計算方法を理解していなければ、提示された示談金が妥当かどうか、自分に被った損害がすべて示談金でカバーされているかどうか、判断することができません。示談金の計算方法を理解することが大切です。

計算方法①治療費

診察料、検査料、入院料などの医療に関わる費用は、症状固定までの間、必要かつ適切と判断された治療を実費で請求できます。

必要性のない過剰診療部分や医師の指示によらない民間療法(マッサージなど)利用部分、個室入院費用などは治療費として認められません。また、これらの民間療法の利用や個室への入室は、治療に不可欠と判断されるため、専門医の正式な診断書が必要です。そのため、医師から診断書をもらいましょう。

なお診断書作成にかかる費用は、加害者側に請求できるため領収書等をしっかり保管しておいてください。

 

出典:交通事故の治療関係費用として請求できるのは、治療費だけではありません。 | 弁護士法人 みお綜合法律事務所
参照:https://www.jikokaiketsu.com/kaiketsu/archives/songai01/

計算方法②入院雑費入通院交通費

入院中に必要になった消耗品費などの入院雑費は、算定が難しいため実費ではなく日額で支給されます。自賠責基準では「日額1,100円×入院日数」、弁護士基準では「日額1,500円×入院日数」が基準です。
入通院交通費は、実費で請求可能です。ただし、公共交通機関を利用した場合は全額実費で請求できますが、自家用車やタクシーを利用した場合は妥当性や必要性を認められないと請求できません。

 

出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html
出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756

計算方法③付添看護費介護費

付添看護費介護費とは、付き添いや看護のための費用です。原則、12歳以下の子供に付き添う場合や医師が看護を必要と認めた場合に請求することができます。
自賠責基準の付添看護費介護費は、入院の場合は日額4,200円、自宅看護や通院の場合は日額2,100円です。一方、弁護士基準は、入院の場合は日額6,500円程度、自宅看護や通院の場合は日額3,300円程度となっています。

 

出典:限度額と保障内容|国土交通省
参照:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/jibai/payment.html

計算方法④後遺障害逸失利益

交通事故により後遺障害が残った場合、将来見込まれる賃金の請求を求めることができます。後遺障害による逸失利益は、「基礎年収×後遺障害等級に応じた労働能力喪失率×、就労不能期間から算出したライプニッツ係数」で算出されます。
わ収入の基礎となるのは、事故前の1年間に得た賃金である。労働能力低下の程度は後遺障害等級から算出され、ライプニッツ倍率は中間利息を差し引くための数値である。

 

出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756

計算方法⑤死亡逸失利益

被害者が死亡した場合、将来受け取るはずだった金銭を死亡逸失利益として請求可能です。
死亡逸失利益も計算方法が決まっており、「年額の基礎収入×(1-生活費控除率)×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数」で求められます。
生活費控除率とは、本人の死後、不要になった生活費を差し引くための数値である。その妥当性は、被害者の立場によって判断されています。

 

出典:交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/17756

示談金を増額するためのポイント

交通事故の被害者となった場合、できる限り自分が納得できる示談金をもらいたいと誰もが思うでしょう。示談金をもらえても金額が少なく、損害を補えないものであれば意味がありません。できるだけ多くの示談金をもらえるためにはどうしたら良いのでしょう。
ここからは、示談金を増額するためのポイントを紹介していきます。以下で紹介しているポイントを参考に、示談交渉を進めていくようにしてください。

ポイント①適切な頻度で治療を続ける

通院間隔が長すぎたり、通院回数が少なかったりすると、相手方の保険会社が「治療が終わった」「支払いを増やそうとしている」と判断し、正当な支払いが受けられなくなる可能性があります。適切な慰謝料を受け取り、示談金をアップさせるためには、継続的かつ適切な通院がとても重要です。通院の適切なタイミングを判断するために、主治医と相談し、通院の頻度を把握しましょう。

 

出典:通院日数は交通事故慰謝料に影響する?適切な通院日数とは | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/isharyou-tuuindays/

ポイント②後遺障害の等級認定を受ける

後遺障害の等級認定を受けた場合に請求できる後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、後遺障害等級によってもらえる金額が変わり、等級が高くなればなるほど、受け取れる慰謝料の額も増えていきます。
実際の後遺障害よりも軽いと判断され、低い等級に認定されてしまうと、もらえる金額が減ってしまうため、自分の後遺障害に合った等級認定を受けることが大切です。
相手から提示された等級が合っているか必ず確かめましょう。

 

出典:【交通事故の示談金相場】示談金増額のために必要な知識と増額事例|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/2043.html

ポイント③自分の過失割合を下げる

示談金の受け取り額は、過失割合によって変わってきます。自分の過失割合を下げることも、示談金を増額するためのポイントです。例えば、100万円の示談金を求める場合、自分の責任割合が7:3と判断されれば70万円、9:1と判断されれば90万円が支払われることになります。
このように、過失の割合によって支払われる示談金額が異なることから、相手側に過失があることを示す証拠を提出することが重要です。

 

出典:交通事故の示談金の相場は?ケース別の相場や増額のポイントを解説 | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/jidan_souba/

ポイント④弁護士基準で請求する

前述したように、支払額の決定方法には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の3つの方法があり、大きく分けて、弁護士方式が最も手厚く、自賠責方式の場合、最も少ない示談金しか貰えません。示談金をアップさせるためには、弁護士基準で示談金を計算し、請求するのがポイントです。
とはいえ、弁護士を依頼すると弁護士費用が発生しますので注意してください。

 

出典:交通事故の示談金の相場は?ケース別の相場や増額のポイントを解説 | 法律事務所へ交通事故相談 | 弁護士法人ALG&Associates
参照:https://www.avance-lg.com/customer_contents/koutsujiko/jidan_souba/

ポイント⑤収入の証明をする

交通事故に伴う逸失利益や休業損害は、事故前の収入から計算されます。そのため、収入を証明することができない場合、最低額しかもらえなかったり、示談金が減額されたりすることがあります。あなたの収入を証明する書類を準備することも示談金を増加させるためのポイントです。
サラリーマンなどの給与所得者は源泉徴収票や賃金台帳を、フリーランスや自営業の人は確定申告書の写しや納税証明書などを用意しましょう。

 

出典:交通事故の慰謝料は示談金内訳のひとつ!示談金の内訳と慰謝料の増額方法 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/27759

示談交渉の流れ

一般的に、交通事故が発生した場合、慌てて裁判所に訴えるのではなく、まずは被害者と加害者が話し合い、示談交渉を行うことがほとんどです。
交通事故に遭うことは滅多にないため、示談交渉がどのように進められ、どのような交渉が行われるのかまで分からないという方も多いと思います。

ここからは、示談の意味や示談交渉がどう進めていくのか流れなどについて紹介していきます。

示談の意味

交通事故の場合、裁判を起こさずに合意することを示談といいます。加害者が被害者に対し、損害賠償をしなければなりません。その際、賠償額、支払い方法、支払い時期について合意する必要があります。交通事故の示談交渉は、加害者本人ではなく、加害者側の任意保険会社と被害者のが行うケースが大半です。

 

出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128

示談が成立するまでの期間

交通事故の示談交渉は、通常、症状固定や完治してから開始されるのが一般的です。事故の内容によって変わりますが、開始から終了までの期間は2ヶ月から1年程度かかります。
後遺障害が残らない事故は半年程度、後遺障害が残った場合の事故は後遺障害等級認定から半年~1年程度、死亡事故の場合は半年~1年程度を目安に考えておくと良いでしょう。重症であればあるほど、終了まで時間がかかるため、交通事故発生から示談終了までの期間が長期化してしまうため注意してください。

 

出典:交通事故の示談にかかる期間の目安は?長くなる原因と対処法 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/22349#1-1

示談交渉の流れ

示談交渉は、症状固定や完治してから次のような流れで行われるのが一般的です。

 

1.加害者側の任意保険会社から被害者に示談案(示談金や示談条件)の提示が行われる
2.被害者が示談案を確認する
3.提示された示談金などが納得できない場合には、増額交渉を行う
4.示談案に納得できたら、合意する
5.双方が合意したら示談書もしくは免責証書を交わす

 

弁護士などの代理人を立てて示談交渉を行う場合は、最初から交渉に入ってもらえるように依頼しましょう。

 

出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128

示談書の書き方

和解が成立したら、契約書を作成する必要があります。示談書を作成することは、言い間違えによる紛争を避けるための最善の方法です。一般的には、違反した側の保険会社が契約書の作成を担当しますが、相手を信用できない場合は、自分で作成することも可能です。自分で示談書を作成する場合は、以下の事項を必ず記載してください。
加害者・被害者双方の氏名と住所、事故に関する情報(事故の日付、場所、事故状況、車のナンバーなど)、
示談の詳細(示談金額、支払い方法、期日、既払い額など)、
違約条項(決定した金額の支払いが遅れた場合の取り決め)、
保留条項(示談成立後の後遺障害の場合などに備えるもの)、
清算条項(事故に関するすべての紛争が示談によって解決されたことを示す)、
などがあります。

 

出典:交通事故の示談は方法と流れが重要!進め方をわかりやすく解説 | アトム法律事務所弁護士法人
参照:https://atomfirm.com/media/35128

示談交渉をするときの注意点

結論として、交通事故事故の被害に遭い、解決に向けて交渉する際には、いくつかの項目を意識しておくことが大切です。被害に遭ったり、後遺症が残ったりした場合、精神的に参ってしまい、冷静に判断できる状態でない可能性があります。また、これまで経験したことのないような示談交渉に臨むことも難しいかもしれません。このような状況でも冷静な判断をするために、交渉の際には、以下で紹介する注意点を確認しておいてください。

注意点①示談は後戻りできない

示談に同意し、正式に取り決めに調印した後は、詐欺や脅迫などの情状酌量の余地がない限り、合意を撤回することはまず不可能です。示談には法的拘束力があることを覚えておく必要があり、示談を承認する前にしっかり確認することが重要です。提示された内容の妥当性を自分で分析するのが難しい場合は、弁護士などの専門家に相談し、具体的な内容を確認してから合意するようにしましょう。

 

出典:示談交渉で注意すべき3つのポイント!損しないためにまずは弁護士へ相談しよう|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/639.html

注意点②交渉の開始時期に気をつける

示談交渉を始めるにあたり、治療中に行われることもありますが、治療費や慰謝料などの損害額がまだ確定しておらず、明確な損害額を算出することができないため、注意が必要です。治療中に示談をしてしまうと、正当な治療費をもらうことができず、示談金が低くなってしまう可能性があります。
正当な示談金を得るためには、症状固定もしくは、完治するまで待ってから示談交渉を開始するようにしましょう。

 

出典:交通事故の示談にかかる期間は?早く終わらせたい場合の解決法も紹介|交通事故の慰謝料の相場は?計算機で通院期間別にシミュレーション|弁護士法人・響(ひびき)
参照:https://hibiki-law.or.jp/jiko/jidan/33781/

注意点③すぐに示談内容に合意しない

任意保険会社は、一見、被害者側に立っているように見えても、加害者の代理であることを忘れないでください。
示談金額を最小限に抑えることを目的としているため、示談を決める際には注意が必要です。提示された金額が妥当かどうかを検討した上で合意し、疑問があれば、交通事故の経験豊富な弁護士にアドバイスを求めることをオススメします。

 

出典:示談交渉で注意すべき3つのポイント!損しないためにまずは弁護士へ相談しよう|弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所(東京弁護士会)弁護士 川崎公司
参照:https://vs-group.jp/lawyer/ko-tu-jiko/639.html

注意点④示談が成立しないこともある

示談は、それぞれの条件に同意したときに成立されます。加害者、被害者のどちらかが合意等に不満があれば、和解は成立しません。解決しない場合、被害者は支払いを受けることができません。したがって、交通事故紛争処理センターの示談のあっせん、民間調停、民事裁判などのいずれかの方法で解決する必要があります。賠償請求には時効があるので、示談が成立しない場合は速やかに対応する必要があります。

 

出典:交通事故で示談しない場合に他の選択肢やリスクがある?|ベリーベスト法律事務所
参照:https://www.koutsujiko.jp/column/p061/

示談交渉は慎重に行おう

これまで、示談金の意味や慰謝料の違い、計算方法などについて紹介してきました。示談金には明確な相場がないため、交通事故の内容や損害の大きさによって支払われる金額が異なります。そのため、被害者は、自分の損害の大きさを把握し、賠償金の総額を計算し、正当な賠償を求めることが重要です。一度示談をした金額は覆らないので、交渉は慎重に行い、納得のいく示談金を受け取ることが大切です。

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