交通事故の治療を整骨院で続けたい方が知るべき慰謝料請求の注意点






交通事故の治療を整骨院で続けたい方が知るべき慰謝料請求の注意点|初診・併用・認定・算定まで


交通事故の治療を整骨院で続けたい方が知るべき慰謝料請求の注意点

更新:2025年04月17日 公開:2021年10月19日 治療・症状固定 交通事故 整骨院

「整骨院(接骨院)でも慰謝料は出るの?」——答えは条件付きでYES。ただし、初診は病院(整形外科)必須医師の同意定期的な病院受診証拠化の4点が鍵です。

目次

  1. 整骨院通院は慰謝料・治療費の対象になる?
  2. よくある疑問:病院との違い・併用可否・証明方法
  3. 入通院慰謝料の「3つの基準」と整骨院の扱い
  4. 慰謝料の算定イメージ(自賠責・裁判所基準)
  5. 実務の流れ:初期対応→併用→被害者請求→示談
  6. まとめ:失敗しないためのチェックリスト

1.整骨院通院は慰謝料・治療費の対象になる?

整骨院での施術は、医師の診断に基づく治療の一環として相当と認められる限り、治療費・通院交通費・入通院慰謝料の根拠に含められます。ただし、以下を満たすことが重要です。

  • 初診は病院(整形外科)で受診:診断書・画像検査で外傷の同定。
  • 医師の同意・許可:「整骨院の施術が有用」との指示・紹介。
  • 病院への定期フォロー:経過観察・処置更新・就労制限の記録。
  • 施術証明・領収書の保存:回数・金額・施術内容の一元管理。

整骨院のみの通院だと、治療必要性症状推移の医証が乏しく、支払打切・慰謝料否認のリスクが高まります。

後遺障害が残りそうなとき

後遺障害の申請には医師作成の後遺障害診断書が不可欠。整骨院のみでは等級認定の土台を作れません。症状固定の前に、必要検査(MRI等)・神経学的所見・就労制限の明記を病院で整えましょう。

2.よくある疑問:病院との違い・併用可否・証明方法

(1)整骨院と病院の違い

項目 病院・整形外科 整骨院・接骨院
主体 医師(国家資格) 柔道整復師(国家資格)
できること 診断・画像検査・投薬・手術・診断書作成 手技療法・物理療法・施術証明
慰謝料・費用 中核(エビデンスの要) 医師の同意があれば治療の一環として算入可能

(2)併用のメリット/デメリット

  • メリット:疼痛緩和・可動域改善を図りつつ、病院側で医証を蓄積。
  • デメリット:保険制度上、同一負傷名での併用制限や支払基準の齟齬が生じる場合。事前に医師・保険会社へ方針共有を。

(3)どんな条件なら併用できる?

  • 初診は病院、以後も定期的に病院で経過観察
  • 病院カルテに「整骨院併用・有用性」の指示・同意を残す
  • 施術内容と病院治療の重複・過剰を避ける(頻度・期間の整合)

(4)整骨院の費用はどう証明?

  • 施術証明書+領収書(日付・金額・部位・内容)
  • 通院経路のIC履歴・タクシー領収書・距離メモ(交通費)

(5)「通院日数」扱いは?

入通院慰謝料の算定では、医師の同意がある整骨院通院は原則「通院」に含まれます。医証と施術証明で必要性・相当性を示せるかが勝負です。

3.入通院慰謝料の「3つの基準」と整骨院の扱い

  1. 自賠責基準:被害者救済のミニマム。定型算定で簡便だが上限枠(傷害120万円)に注意。
  2. 任意保険基準:各社の社内基準。開示されず低めが通例。提示はあくまでスタートライン。
  3. 裁判所(弁護士)基準:過去裁判例を踏まえた相場の上限帯。事情に応じて調整・増減の余地。

整骨院通院でも、医師の同意+定期受診があれば考え方は同じ。どの基準を採用するかで金額差が大きくなります。

4.慰謝料の算定イメージ(数式の考え方)

(1)自賠責基準の考え方

「実通院日数×2」「治療期間」のいずれか少ない方に、1日当たりの定額(近時は4300円が目安)を乗じて計算。
※実際の支払は、治療費・休業損害・交通費等との合算で120万円上限に収まる範囲です。

(2)裁判所基準の考え方

重症/軽症の別表に、入院期間・通院期間を当てはめて目安額を確認。むち打ち等の軽傷帯は「別表Ⅱ」を使う運用が一般的。
※実務では通院頻度・症状の一貫性・治療経過で増減調整されます。

数字はあくまで考え方の目安。適用基準や増減要素で結果は動きます。医証と記録が金額面の推進力です。

5.実務の流れ:初期対応→併用→被害者請求→示談

  1. 初診は病院(整形外科):事故当日〜早期に受診、診断書・画像検査・就労制限を取得。
  2. 整骨院の併用:医師の同意を得て開始。施術証明・領収書を日付順に保存。
  3. 病院フォロー:2〜4週間隔を目安に再診。症状推移・可動域・投薬をカルテに残す。
  4. 被害者請求(自賠責):示談前に治療費・交通費・休業損害・慰謝料の一部を先行回収。
  5. 任意保険と交渉:過失割合・通院相当性・基準差を整理し、裁判所基準で増額を図る。
  6. 症状固定・後遺障害:必要検査と医師所見を整え、等級認定→後遺障害慰謝料・逸失利益を検討。

電話だけで進めない。要点はメール・書面で残し、事実→根拠→要望をセットで提示しましょう。

6.まとめ:失敗しないためのチェックリスト

  • 初診は病院で診断書・画像検査を取得した
  • 整骨院併用の医師同意がカルテに残っている
  • 定期的に病院で経過観察を続けている
  • ☑ 施術証明・領収書・交通費の証拠を一元管理している
  • 被害者請求→任意保険→(必要に応じ)人身傷害の順序設計をした
  • ☑ 後遺障害が疑われる場合は症状固定前に検査と所見を整えている

まずは「医証の整備」と「書類の棚卸し」から

整骨院を賢く併用するほど、医師の関与証拠化が重要になります。書類の整理と請求順序の設計で、受け取れる金額は変わります。

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