示談交渉中に気をつけたいポイント
はじめに|「急いで終わらせる」と損をする
示談は合意=最終確定。一度サインすると原則やり直しはできません。痛みや不安で早く終えたいほど、重要な費目や根拠の取りこぼしが起こりがちです。本稿では提示額の読み解き、過失割合の物証づくり、医証(診療記録・診断書)整備、サイン前チェックリストまでを整理し、さらに事故後の身体ケアの外部連携導線も併記します。
ゴールは「総額」よりも、納得できる内訳と根拠。そのうえで生活を早く立て直すことです。
1. 提示額は“総額”ではなく“内訳”で見る
1-1. 必ず確認したい内訳項目
- 治療費・検査費:必要性を理由に一部不支給になっていないか。
- 通院交通費:公共交通/自家用車の計上方法、駐車代の扱い。
- 休業損害:給与明細等の根拠×対象日数。自営業は帳票・代替費用。
- 入通院慰謝料:自賠責/任意/裁判基準のどれで算出か。
- 後遺障害・逸失利益:等級、喪失率、喪失期間、基礎収入、係数。
- 過失相殺:割合と修正要素(信号・優先・視認性・速度等)。
「総額のみ」の提示には、項目別の算式と根拠資料の開示を依頼しましょう。
2. 過失割合は“図面・写真・映像”で動く
2-1. 争点の切り分け
- 信号色・優先道路:実況見分調書×現場写真の整合。
- 視認可能性:死角・標識・照度・雨天路面。
- 速度・回避:損傷部位・ブレーキ痕・ドラレコ。
過失が1割変わるだけで、受取額は大きく動きます。物証の補強は最優先。
3. 医証の質が慰謝料と逸失利益を左右する
3-1. 受診・通院設計
- 整形外科を軸に、症状に応じて神経内科・ペイン・リハを併用。
- 医師指示に基づくリハビリで必要性・相当性を担保。
- 症状の一貫性を保ち、通院の空白を最小化。
3-2. 後遺障害の視点
- 症状固定前に後遺障害診断書の要点(所見・ADL・就労)を確認。
- 非該当リスクがあれば、画像/神経所見の追補を検討。
4. 健康保険・自賠責・人身傷害の使い分け
- 健康保険:事故でも利用可。自己負担軽減と妥当性の可視化。
- 自賠責(被害者請求):示談前の先行回収。書類精度が肝。
- 人身傷害:約款基準は低めのことがあるため、請求順序と調整条項を要確認。
5. 自営業・フリー・家事労働の休業損害
自営業・フリー
- 確定申告・売上帳・発注書で実収入を立証。
- 代替人件費や外注費の根拠資料を保存。
家事労働
- 家族構成と家事分担、育児負担を記録し労働価値として評価。
6. サイン前の最終チェック
- 症状固定前の示談ではないか。
- 全費目が網羅されているか。
- 過失割合の根拠は妥当か。
- 各項目の計算式に誤りはないか。
- 請求順序(自賠責/人身傷害/任意)は最適か。
- 清算条項の意味を理解したか。
- 将来再発時の扱いを確認したか。
清算条項には「本件に関し一切の請求権を放棄する」等が入るのが通常。未知の後遺が懸念される場合は特に慎重に。
7. からだの回復も「交渉の成果」に直結します
示談の根拠は医証と生活影響です。適切なリハビリと日常機能の回復は、医学的にも法的にも重要。福岡エリアで身体ケア・ボディメイク・機能回復の伴走先をお探しなら、以下の導線をご利用ください。
8. よくある質問(示談×身体ケアの連携)
Q. リハの通院頻度は示談に影響しますか?
A. 影響します。症状経過の一貫性と医師指示に基づくリハは、必要性と相当性の根拠になります。Blent.BLDのような専門施設でのケアは、主治医の治療方針と矛盾しない範囲で組み立てましょう。
Q. カラダの改善が遅い。交渉を待つべき?
A. 基本は症状固定の判断に合わせますが、生活の質を上げるケアは早期開始が望ましいです。回復プロセスの記録(可動域・疼痛スケール・生活影響)は、示談時の資料にも活きます。必要なら専門ケアへ:https://blent-bld.com/
サイン前の「内訳点検」と「身体ケア計画」—二本立てで進めましょう
内訳は数式で、回復は日々の積み重ねで変わります。どちらも今日から動けます。












