5ヶ月通院した場合の慰謝料相場|重傷105万円・軽傷79万円の根拠と増減要因






5ヶ月通院した場合の慰謝料相場|重傷105万円・軽傷79万円の根拠と増減要因

交通事故で5ヶ月間通院した場合、慰謝料の相場は重傷で約105万円軽傷で約79万円とされています。これは弁護士基準(裁判基準)に基づく金額であり、実際に加害者側の保険会社が提示してくる金額とは大きな差が生じることが多いです。

この記事では、慰謝料の計算方法、基準別の違い、増減要因、そして後遺障害認定・示談交渉の注意点まで、専門家監修レベルで徹底的に解説します。
「自分のケースではいくらになるのか?」を知りたい方にも、相場感をつかめる内容です。

目次

  • 1. 慰謝料とは?交通事故における基本構造
  • 2. 5ヶ月通院した場合の慰謝料相場額(重傷・軽傷別)
  • 3. 慰謝料を決める3つの基準|自賠責・任意・弁護士
  • 4. 各基準別の計算方法と比較表
  • 5. 慰謝料が増額・減額されるケースと背景
  • 6. 示談交渉・治療中の注意点まとめ
  • 7. 後遺障害認定の重要性と金額相場
  • 8. 弁護士に依頼するメリットと無料相談窓口

1. 慰謝料とは?交通事故における基本構造

慰謝料とは、事故によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。治療費や修理費などの「財産的損害」とは別に支払われるものです。

交通事故の慰謝料は、大きく次の3種類に分かれます。

  • 入通院慰謝料:入院・通院期間中の精神的苦痛に対する補償
  • 後遺障害慰謝料:完治せず障害が残った場合の補償
  • 死亡慰謝料:死亡事故における遺族への補償

この記事で扱うのは「入通院慰謝料」です。通院5ヶ月という期間は、むちうちなどの軽症から中等度の外傷まで多くの事例に該当します。

2. 5ヶ月通院した場合の慰謝料相場額(重傷・軽傷別)

弁護士基準(裁判基準)に基づく相場は次の通りです。

通院期間 重傷(骨折・手術等) 軽傷(むちうち・打撲等)
5ヶ月 105万円 79万円

なお、この金額は「弁護士が交渉した場合」に得られる基準であり、保険会社が独自に提示する金額とは異なります。

注意:実際の支払金額は、通院日数・通院頻度・治療内容などによって増減します。詳しくは弁護士基準の算定表「赤い本」で判断されます。

3. 慰謝料を決める3つの基準|自賠責・任意・弁護士

交通事故の慰謝料額は「誰が計算するか」で大きく変わります。

  • 自賠責基準:国が定めた最低限の補償。最も低額。
  • 任意保険基準:保険会社が独自に設定。自賠責と同等〜少し高め。
  • 弁護士基準:裁判所で認められる基準。最も高額で相場に近い。

この違いを知らずに示談してしまうと、本来受け取れる金額の半分以下しか受け取れないケースもあります。

4. 各基準別の計算方法と比較表

自賠責基準の計算式

自賠責では、入通院慰謝料を次のいずれか低い方で計算します。

  • (入院日数 + 通院日数×2)× 4,300円
  • 治療期間 × 4,300円

例:通院5ヶ月(150日)、通院日数60日の場合
⇒ (0 + 60×2)×4,300円 = 51万6,000円

この場合、最大でも64万5,000円程度が上限。つまり弁護士基準との差は40万円以上に及びます。

任意保険基準

任意保険は公開されていませんが、かつての旧統一基準では約56万7,000円(通院5ヶ月)とされています。自賠責よりわずかに高い程度です。

弁護士基準(裁判基準)

裁判実務で使われる算定表「赤い本」では、通院5ヶ月の場合、重傷105万円・軽傷79万円が目安です。これが一般的に「相場」と呼ばれる金額です。

基準別比較表

基準 重傷 軽傷
自賠責基準 51.6万円 51.6万円
任意保険基準 56.7万円 56.7万円
弁護士基準 105万円 79万円

5. 慰謝料が増額・減額されるケースと背景

増額要因

  • 加害者の悪質な態度(謝罪なし・虚偽説明・飲酒運転)
  • 被害者が重篤な後遺症・意識障害・流産などを負った場合
  • 精神的ショックが強く、生活が著しく制限された場合

減額要因

  • 被害者にも過失がある(過失相殺)
  • 通院頻度が低い・治療を自己判断で中断した
  • 素因減額(元々の持病や心理的要因が影響)

判例による具体例

最高裁昭和63年4月21日判決では、外傷性頚部症候群の被害者が10年以上通院を続けた結果、心因的要因が症状固定に影響したとされ、慰謝料が約4割減額されました。

一方で東京地裁平成27年3月31日判決では、身体表現性障害による痛みが心因的要因に由来する可能性を指摘されつつも、「通常生じる範囲」とされ減額は認められませんでした。

6. 示談交渉・治療中の注意点まとめ

  • 事故直後は必ず整形外科を受診(整骨院だけでは証拠不足)
  • 通院頻度:月10日以上が理想。通院が少ないと減額される。
  • 治療費の打ち切り提案が来たら主治医に確認。
  • 示談は完治後・症状固定後。途中示談は損をする。

2020年民法改正後、人的損害の請求時効は5年に延長されています。ただし物損や自賠責請求は3年のままです。

7. 後遺障害認定の重要性と金額相場

完治せず後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定を受けることで追加の慰謝料・逸失利益が請求可能です。

等級 自賠責基準 弁護士基準
1級 1,150万円 2,800万円
5級 618万円 1,400万円
9級 249万円 690万円
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

後遺障害認定は被害者請求(自分で行う)がおすすめ。弁護士がサポートすれば、より適切な等級が認定される可能性が高まります。

8. 弁護士に依頼するメリットと無料相談窓口

  • 慰謝料の増額交渉を弁護士基準で行える
  • 保険会社との窓口対応を任せられる
  • 後遺障害等級認定のサポートを受けられる

弁護士費用特約を使えば、弁護士相談料・着手金は実質0円。多くの保険で家族特約が適用されます。

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