交通事故(軽傷)の慰謝料相場と増減のポイント|注意点と後遺障害の基礎






交通事故(軽傷)の慰謝料相場と増減のポイント|注意点と後遺障害の基礎


軽傷の慰謝料相場と、増減のポイント

通院2週間≈9万円/1か月≈19万円/3か月≈53万円(弁護士基準の目安)。減額を避け、相場どおり受け取るための実務ガイド。

人身事故・軽傷の実務
最終更新:2025/10

軽傷の慰謝料相場(まずは全体像)

弁護士基準(裁判基準)

  • 通院2週間:約9万円
  • 通院1か月:約19万円
  • 通院3か月:約53万円

むちうち・打撲など他覚所見に乏しいケースは「軽傷用表」で算定。端数は日割り。

自賠責基準(最低補償)

4,300円×対象日数(対象日数=治療期間実治療日数×2の短い方)。

頻度が極端だとさらに低額になりがち。4300円提示のみは再検討の余地大。

症状/通院イメージ 弁護士基準 自賠責基準(目安)
すり傷・軽打撲(2週間) 約9万円 約3.5〜6万円
捻挫・打撲(1か月) 約19万円 約8.5〜13万円
むちうち(3か月) 約53万円 約26〜40万円

相場はあくまで目安。頻度・治療実態・過失割合など個別事情で上下します。

増額・減額の典型ケース

増額が見込める事情

  • 加害者に故意/重過失不誠実対応(救護不履行・虚偽説明等)
  • 手術が複数回・麻酔不可手術・合併症リスク等で苦痛が特段大
  • やむを得ない事情による通院中断・短縮(資料で補強すれば評価される余地)

減額されやすい事情

  • 過失相殺(被害者側過失)
  • 身体的素因(既往症が症状に寄与)・心因的素因(治療消極等)
  • 通院頻度が少なすぎ/根拠乏しい過剰通院(必要性に疑義)

個別事情の主張は診療録・画像・経過メモなど客観資料の整備がカギ。

減額を防ぐ4つの注意点(実務)

  1. 人身事故で届出:実況見分・交通事故証明を確保。物損のみは不利。
  2. まず病院で診断:初診遅れは因果関係の争点に。整骨院は医師許可+病院併用。
  3. 通院頻度は3日に1回目安:少なすぎも多すぎもNG。医師指示を最優先。
  4. 治療費打切りは即終了しない:必要なら継続の医師見解を示して交渉。

「毎日通えば増える」は誤解。正当性のない高頻度はむしろ減額リスク。

後遺症が残ったとき(軽傷でも要チェック)

痛み・しびれ等が長期化すれば後遺障害の対象。目安は通院6か月前後で症状固定の検討。

等級(代表例) 自賠責(万円) 弁護士基準(万円)
12級(痛み等の他覚的所見あり) 94 290
14級(他覚所見に乏しいが症状残存) 32 110

申請ルートは被害者請求が基本推奨。書類精度(診断書・画像所見・日常生活状況)が肝。

具体事例(軽傷の増額)

増額事例(無等級)

首・肩痛の軽傷事案で、提示90万円 → 144万円に増額。

  • 40〜50代・自営業
  • 通院経過・必要性の根拠資料を補強

コツ

  • 治療計画・頻度の妥当性を医証で裏付け
  • 低提示(4,300円×日数一辺倒)には弁護士基準で再算定
  • 過失・素因主張には反証(既往との鑑別等)

計算の基礎(弁護士基準/自賠責基準)

入通院慰謝料

  • 弁護士基準:算定表(軽傷用/重傷用)。端数は日割り。
  • 自賠責基準4,300円×対象日数(対象=治療期間と実治療日数×2の短い方)。

後遺障害慰謝料

等級ごとに固定。14級=110万円/12級=290万円(弁護士基準)が目安。

傷害分は他費目含め120万円が自賠責の上限。超過は任意保険で調整。

よくある質問(ライト)

Q.「軽傷」はどこまで?

レントゲンやMRIなど他覚所見に異常が写らない捻挫・打撲・むちうち等を実務上「軽傷」扱いにします。

Q. 最低いくらはもらえる?

最低限は自賠責基準(4,300円×対象日数)。ただし相場は弁護士基準。4,300円提示のみは見直し推奨。

Q. 整骨院のみ通院でも大丈夫?

医師の許可+病院併用が安全。整骨院のみは必要性に疑義が出やすく、減額の火種に。

十分な金額に近づけるために(実務の動き)

  1. 証拠を揃える:診断書・画像・カルテ、通院記録、支払領収書。
  2. 頻度の整合性3日に1回目安、医師指示を遵守。
  3. 交渉:任意保険の低提示には弁護士基準で再計算・根拠提示。
  4. 後遺が疑われる:早めに被害者請求(書類精度アップ)。

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