交通事故の相談ガイド:道路交通法のポイント・改正要点・違反と罰則・事故後の正しい対応・弁護士活用まで
本記事は、交通事故に関する相談を前提に、道路交通法の基礎から近年の改正点、主な違反の罰則、事故直後の行動、そして弁護士に依頼するメリットまでを、被害者/加害者の双方にとってわかりやすくまとめた実務ガイドです。現場で迷わないための「順序」と「根拠」を整えましょう。
まずは状況整理から(無料)
1. 道路交通法とは(目的・全体像)
1-1. 目的(道路交通法第1条)
道路交通法は、道路における危険の防止、交通の安全と円滑、および交通起因の障害の防止を目的とする法律です(道路交通法第1条)。
1-2. 全体像(章構成の主なポイント)
- 歩行者等の通行方法(第2章)
- 車両・路面電車の交通方法(第3章)
- 運転者・使用者の義務(第4章)+高速道路等の特例(第4章の2)
- 特定自動運行の許可等(第4章の3)
- 運転免許(第6章)
- 罰則(第8章)+反則行為の特例(第9章)
2. 近年の主な改正点
| 改正日 | 主な内容 |
|---|---|
| 2023/4/1 | 自転車ヘルメット着用の努力義務化/レベル4自動運転の許可制度開始(特定自動運行) |
| 2023/7/1 | 特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)の交通方法・年齢要件(16歳以上・免許不要) |
| 2023/12/1 | 安全運転管理者選任事業所:アルコールチェック義務化(アルコール検知器での確認・常時有効保持) |
| 2024/11/1 | 自転車の酒気帯び運転の罰則新設(3年以下の懲役/50万円以下の罰金)/自転車の「ながらスマホ」禁止と罰則(6か月以下の懲役/10万円以下の罰金) |
3. 違反時の処分(刑事/行政・前科の有無・点数制度)
3-1. 刑事処分と行政処分
- 刑事処分:懲役・禁錮・罰金(確定で前科がつく)
- 行政処分:違反点数・反則金・免許停止/取消
3-2. 前科がつかないケース(交通反則通告制度)
比較的軽微な違反(点数6点未満)では、所定の反則金納付で刑事手続に移行しない制度(青切符)。
ただし、酒酔い運転や救護義務違反などの重大違反は対象外。
3-3. 点数制度の基本
過去3年の累積点数や事故等の付加点数により、停止・取消の処分が決定(行政処分基準点数に準拠)。

4. 主な違反例と罰則(抜粋・普通車基準の反則金例)
| 違反内容 | 刑事処分(上限例) | 行政処分(点数/反則金例) |
|---|---|---|
| 信号無視(赤色等/点滅) | 3か月以下の懲役 or 5万円以下の罰金 | 2点/赤9,000円・点滅7,000円 |
| 追越し違反 | 3か月以下の懲役 or 5万円以下の罰金 | 2点/9,000円 |
| 横断歩行者等妨害 | 3か月以下の懲役 or 5万円以下の罰金 | 2点/9,000円 |
| 安全運転義務違反 | 3か月以下の懲役 or 5万円以下の罰金 | 2点/9,000円 |
| 速度超過(高速40km/h以上/一般30km/h以上) | 6か月以下の懲役 or 10万円以下の罰金 | 6〜12点(停止/取消) |
| 免許証不携帯 | — | 反則金3,000円 |
| 無免許運転 | 3年以下の懲役 or 50万円以下の罰金 | 25点(取消) |
| 救護義務違反(ひき逃げ等) | 最大10年以下の懲役 or 100万円以下の罰金(態様で異なる) | 35点(取消) |
| 携帯電話使用等(保持) | 6か月以下の懲役 or 10万円以下の罰金 | 3点/18,000円 |
| 携帯電話の使用等(交通の危険) | 1年以下の懲役 or 30万円以下の罰金 | 6点 |
| 酒気帯び運転(0.15〜0.25mg) | 3年以下の懲役 or 50万円以下の罰金 | 13点(停止) |
| 酒気帯び運転(0.25mg以上) | 3年以下の懲役 or 50万円以下の罰金 | 25点(取消) |
| 酒酔い運転 | 5年以下の懲役 or 100万円以下の罰金 | 35点(取消) |
5. 交通事故が発生したら:現場対応〜医療〜保険連絡
5-1. 現場ですべきこと(基本フロー)
- 負傷者の救護(救急要請)
- 二次事故防止(車両移動・発煙筒・三角表示等)
- 警察へ通報し報告(事故状況/位置/負傷の有無)
- 相手方と連絡先交換(氏名/連絡先/車両/保険会社)
- 証拠保全(写真・動画・ドラレコ・目撃情報)
- 保険会社へ事故連絡(自分の契約先にも必ず)
- 医療機関で診断(整形外科推奨:診断書の取得)
5-2. 立場別の注意点
- 加害者:現場離脱は厳禁(救護/報告義務)。事実のみを冷静に記録し、推測や断定は避ける。
- 被害者:痛みが軽くても必ず受診。後日の人身切替や保険請求の前提となる診断書を確保。
6. 弁護士の役割と依頼メリット
6-1. 違反・事故の初動アドバイス
警察対応・反則/刑事の見通し・必要資料の整理等を助言。青切符/赤切符、前歴/前科リスクの理解を支援。
6-2. 示談交渉・保険会社対応の代理
過失割合・支払打切り・金額水準など、揉めやすい論点で代理交渉。
6-3. 損害賠償の算定
治療費・休業損害・入通院慰謝料・逸失利益等の算定と主張立証の設計。
6-4. 後遺障害等級申請のサポート
症状固定後の等級申請で、医証(画像/所見/通院一貫性)に基づく主張の設計と不足補正。
6-5. 訴訟対応
示談不調時の訴訟で、証拠収集・主張立証・判例水準との整合を図り最適解を目指します。
7. 相談の目安(被害者/加害者/違反者)とすすめ方
- 違反者:重大違反・繰り返し・前歴あり → 早期に見通しを確認。
- 加害者:過失割合・金額が折り合わない → 資料整理と法的根拠で冷静に。
- 被害者:打切り通告・低額提示・後遺障害の見込み → 早期に医証を整えつつ相談。
不安や手戻りを減らすなら、初動で「順序」と「根拠」をそろえるのが近道です(無料)
8. 参考リンク・根拠条文・注意事項
- e-Gov法令検索:道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
- 警察庁:公式サイト(特定自動運行の許可制度、特定小型原付のルール案内 等)
- (参考)行政処分点数基準:警視庁サイト
- 交通事故相談窓口:ジコまど(情報整理・専門家/医療連携。保険交渉は非対応)
【ご注意】本記事は、ユーザーから提供された内容をベースに教育・一般情報として編集したものです。最新の法改正や運用は地域・時点で異なる場合があります。最終判断は、警察・弁護士・保険会社・医療機関等の最新情報に基づき行ってください。












